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ダイヤモンドの現代事情 [ニュース]

ダイヤモンドの現代事情

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今年の1月、例年通り東京ビッグサイトでは国際宝飾展(IJT)が行われた。
注目を浴びたのは、一般メディアでも取り上げられているラボグロウンダイヤモンド---
合成ダイヤモンドだ。
IJTでは香港始めインド、米国、日本から製造メーカーが出展。
従来の人工ダイヤモンドとは一線を画すこの合成ダイヤモンドの参入については
既存の宝飾メーカーも注目している。
(合成ダイヤモンドと呼ぶと従来の工業用も含まれると考えられるので、
ここではラボグロウンダイヤを宝石としての用途で製造されるダイヤとして区別している)


何が違うのか。
キュービックジルコニアやクリスタル、モアッサナイトのような人工石は疑似石とも言われ、
早い話がダイアモンドとはよく似た他人ならぬ別物。
ラボグロウンダイヤモンドは
化学式や結晶構造、屈折率、ダイヤモンドを構成するあらゆる要素と同じものだ。
天然と養殖の関係とすればわかりやすい。
当然識別は困難で、ラボグロウンダイヤモンドにはシリアルナンバーが刻印され、
GIA(米国宝石学会)の鑑定書が添付されるようになっている。

デビアスはブランド「Light Box」にてファンシーカラーのラボグロウンダイヤの取り扱いを開始。
天然では超希少なピンクやブルーのファンシーカラーを用いたジュエリーのオーダー販売を行う。

GIA 特集「デビアスの合成ダイヤモンド、2018JCKショーで困惑を招く」
https://www.gia.edu/JP/gia-news-research/de-beers-synthetic-shock-draws-mixed-reactions-2018-jck

Light Box 公式サイト
https://lightboxjewelry.com/


ファンシーカラーについては研究が進めば、
天然ではあり得ないレインボーカラーも実現するという人もいる。

さて、その輝きばかりが比較されがちな天然ダイヤとラボグロウンダイヤだが、
研究所育ち(Lab Grown)のダイヤにはブロックチェーン技術が採用され、
製造から消費者の手元に渡るまでの行程がクリアになっている。
対して天然ダイヤモンドはKP(キンバリー・プロセス)による原産地証明が国際的に行われている。
ダイヤモンドが反社会勢力の資金調達に利用されないように発足した制度だが、
対象が原石にとどまること、越境させ原産地をカモフラージュすることを防止できていない現状など課題がある。
またフェアトレードのように子供や女性労働者の問題には対応していないことへの批判もある。
ティファニーは原産地情報を顧客と共有することを今年1月10日に発表。
2020年には業界初、個々の製造工程情報まで公開予定だという。
これもまた、0.18ct以上の登録済みダイヤモンドにティファニー独自のレーザー刻印でシリアルナンバーを施し、
顧客と情報を共有して追跡を可能にする。
天然であれ合成であれ、ダイヤモンドもタグ付けされ情報で紐付けされる時代が来たということだ。

商品の信頼が保たれること、安全であると可視化され安心して購入できるのは望ましいことだ。
とはいえ、何もかもデータで管理されてしまうというのも味気なく思える。
宝石の魅力の中には、人間の一生の何万倍という途方もない時間や、
意図的に生み出すことができない希少性、あるいはそこから生まれるミステリアスな側面も含まれていたはずだ。
見た目の美しさや商品的な信用と、それ以外の価値について、
さて人々はどれくらいの差をつけるのだろう?

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